癸乙(みずのと・きのと)で起こる可能性の高いこと
癸乙(みずのと・きのと)は梨花春雨(りかしゅんう)と言われます。「梨花」(りか)とは梨の花のことです。「春雨」(しゅんう)とは春先に降る静かで細かい雨のことです。冬が終わり季節が春になるとそれまでの凍てつくような冷たさがなくなります。暖かい雨ではありませんが、春の暖かさを思わせる、明るさがあります。春雨の一番の特徴は生命感ではないでしょうか。春雨に潤された木々や草の緑はいのちにあふれています。癸乙はまさにこのようなイメージです。この方位を使うと、それまで真面目に一生懸命取り組んできた人は昇給や昇進の喜びがあります。事業経営者は資金繰りがよくなります。製造業では研究開発で成功するようになります。不動産売買や投資信託・株で予想以上の利益を上げることもあるでしょう。自分の労働以上の経済効果があります。未婚でそれまで全く結婚とは縁のなかった人は、まじめな交際を経て結婚のチャンスをつかむこともあります。それまで仲の悪かった夫婦にも平安が訪れ、夫婦円満の生活を送れるようになります。このように人生の喜びや楽しい出来事が多くなる方位です。ただし、楽をして喜びを得るような状態が続くので、困難に向う姿勢や忍耐力が弱まるあるいは育成されないので注意が必要です。気を抜くと大変なことがあるというのもまたこの方位の特性です。とくに若い人は、この方位をつかったときには良いことがあっても意識的に自らに課題を課して鍛えることが必要です。まさに「勝って兜の緒を締めよ」ということわざの通りです。また、過度の喜びは自らを滅ぼすことがあります。実は梨花春雨とは、「梨花一枝春雨を帯ぶ(りかいっしはるさめをおぶ)」の諺(ことわざ)の略とも言われています。この諺は、一枝の白い梨の花が春の雨に濡れているということで、美しい人の悲しむ姿を例えた言葉とされます。栄華を極めた楊貴妃の魂がかなしくむせび泣く様子を春雨に濡れる梨花に例えた「長恨歌」という文学作品があるのですが、これの引用です。癸乙はその強さゆえに扱う側に強い自律性が求められます。
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